「PDCA」はもう古い? 『PDR』で考える思考

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『PDCAサイクルで考えろ!』

こんな言葉を周囲の人から言われたことはありませんか?

私は社会人(2013年)になってから、この言葉を初めて知り、社内会議や先方との打ち合わせなど仕事・プライベートを含めた数々の場で聞くことが増えていきました。

初めはその通りだなと感じていた反面、途中からこのサイクルで回せないことが多々あり、この言葉を聞くと「またか、無理だろ…。」と深く考え込んでしまい、頭を悩ますことがありました。

そんな私は今、一企業の人事・採用担当として4年ほど学生の方と接したり、高校・大学で講話をしたり、プライベートでは学生時代に熱中していた陸協競技の社会人チームで活動したり、少年自然の家でボランティア活動などをしています。

いまの就活生たちも自己PRの場で「アルバイト経験でPDCAを回して…」と語る方も増え、大学等の学校教育でも普及されたワードなのだと感じています。

そして、私自身が感じていた「またか、無理だろ…。」と感じている方が意外と多いことに気づき、様々な分野の方に話を伺ってみるとこのような声をよく聞きます。

「PDCA」って理想論に近いけど、多様化した業務で忙しくしているこのご時世に合ってないと思う

このような声を聞き、タイムマネジメント関連の論文を読み漁っていたときに「これだ!」と思う考え方に出会いました。

「PDCA」ではなく『PDR』を回せ!

私は『小さな成功を積み重ねたい』と考えている人には、「PDCA」ではなくて「PDR」が有効だと思っています。

全ての物事を「PDR」にする必要があるとは思いませんが、この考え方を知っているだけで、仕事でも就職活動でも、プライベートであってもタイムマネジメントに関して1つ成長できる捉え方があると気づけるのではないかと思います。

そして私は、この言葉の意味を調べたときに、頭を悩ませていたタイムマネジメントに対して「これなら生産性・クオリティーを上げられる!」と思い、普段の業務に取り入れています。

今回は『「PDCA」の管理方法』というお悩みについて、私自身が身に染みて感じたタイムマネジメント『PDR』をテーマに、私の想いをお伝えさせていただきたいと思います。

「PDCA 」サイクルの考え方

PDCAサイクルとは

Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセスを循環させ、マネジメントの品質を高めようという概念です。

あなたは「PDCA」がいつ頃から使われる考え方であるかご存知でしょうか?

PDCAサイクルは1950年代、品質管理の父といわれるW・エドワーズ・デミングが提唱したフレームワークであり、PDCAサイクルを強化することで、1人ひとりがKPI(重要業績評価指標)にかかわるミッションを達成すると、結果として中期経営計画や会社の業績が達成できる仕組みになるというものです。

また、このPDCAサイクルは戦後に日本によって、戦後の日本経済を活性化させるために提唱されたといわれることもあり、世界に名を馳せたトヨタ自動車も考え方を追求し、QC活動を大切にしてきた背景もあります。

製造業(メーカー)において、もともと生産・業務プロセスの中で改良や改善を必要とする部分を、特定・変更できるようにするために提唱されたモデルであり、製造品の品質管理を行うために登場しました。

『各プロセスを測定・分析し、PDCAのサイクルを継続的に回すことで、連続的なフィードバックが行えるよう、ループ型のモデル』という、当時の最先端であったこの考え方は、品質管理や品質向上を図る上では最適な手法だと思います。

しかしこのPDCAサイクル自体は、近年の考え方として少子高齢化の進行による労働力不足などの背景を理由に、接客などのサービス業には難しいとされはじめています。

「お客さまは神様」という言葉に代表される日本企業の良質な接客は、優秀な人材が持つ豊富な経験とスキルに支えられてきましたが、品質管理などの継続的改善手法であるPDCAサイクルは、サービスの分野においてはトラッキングが難しいというデメリットがあり「C:チェック評価)」の部分がうまく機能しないことがあるようです。

アナログなホスピタリティを起点とするサービスやアクションの評価は、店長クラスの従業員が恣意的に行わざるを得なかったり、各拠点の大きさや間取りに依存して各業務の標準時間が設定できなかったりしたためです。

しかし今では、AIカメラやセンサーなどのIT機器を活用することで、サービスの提供や消費の状況をデータとして取得できるようになり、サービスを見直すためのPDCAを明確に回せるようになってきています。

企業が成長し続け、新しい価値を創出するために、経営管理の重要度はますます高くなっていますし、また、計画系のアプリケーションの導入や外部の支援やフレームワークも活用しながら、誰もが使いやすい経営管理を考えていくことができれば、PDCAを用いて企業の生産性やパフォーマンスの最大化に期待が持てるかもしれませんね。

「PDR」サイクルの考え方

PDRとは?

Prep(行動準備)、Do(行動)、Review(見直し)の仮説と検証を高速で繰り返すというものであり、PDCAの「P:プラン(計画)」がなく、その代わりに「P:プレップ(行動準備)があります。

PDRは、ハーバード・ビジネス・スクールのリンダ・ヒル氏によって提唱され、タイムマネジメント手法でもあるため、『行動する準備をして、行動し、行動した結果を分析し見直す』一連の動作が大切であるとしたものです。

Prep(プレップ):行動準備
 自分は何をしようとしているのか、目標や目的は何か、どのような手法でやるのか。
 平凡な行動だと思っていたことに問題・課題を見つけ可能性を見出すためには準備が特に大切とのこと。

Do(ドゥ):行動
 プレップを行動に移すだけ。ポイントは出来る限りプレップからドゥの期間を短くすること。

Review(レビュー):見直し
 行動が完了したら起きた事象を分析・検証し見直し、次の行動を考える。

この3つから構成されるサイクルは単純明快だと思いますし、誰もが簡単にできると思いますが、これを何度も繰り返すことが大切です。

「PDCAサイクル」では、いつの間にか「P:計画」が疎かになることがあったり、一度チャレンジしても諦めてしまい、次の行動を移すまでに時間がかかったり、もうやらないなんてことも多くあります。

しかし「PDRサイクル」では、仮説に対するアプローチを変えながらひたすらPDRを回すことで成功が見えてくるようになり、自分の想い描くレベルまで到達するためにさまざまな仮説・行動・検証を繰り返していきます。

シンプルかつ限られた時間を有効にする手法のため、タイムマネジメント手法としては強力なアプローチとなり、平凡に行動するのではなく、日常的な習慣にしておくことで、個人もしくはグループにおける部下を成長させるためのマネジメントツールに変えることもできます。

さらにメリットがある視点として、『「PDCA」よりも早いスパンで回し、さらに「PDR」の方がPDCAよりも学びが多い』とされてます。

私がこのPDRを知って、これに近いなと思ったのはアジャイル型開発手法です。

アジャイル(俊敏な)型開発
 仕様や設計の変更が当然あるという前提に立ち、初めから厳密な仕様は決めず、
 おおよその仕様だけで細かいイテレーション(反復)開発を開始し、
 小単位での「実装 → テスト実行」を繰り返し、徐々に開発を進めていく手法

ある程度の方向性のみを決めて修正前提で、事業を素早く進めながら軌道修正していくアジャイル型に近いものが「PDRサイクル」かと感じています。

例えば、先ほど紹介した「PDCA」の代表例というと、あなたには何が浮かぶでしょうか?

私は『行政計画』が一番わかりやすい例えになると思っています。

全国の自治体でつくっている都市計画マスタープランや総合計画といった行政計画においては、計画書の巻末に必ず「PDCA」の記載があります。

また行政のみならず、元々の発祥元である製造業はもちろん、人材派遣やコンサルティングなどの業態などでも使用されています。

しかし、例えば「行政計画」に視点を向けてみると、10-20年スパンで策定されることが多いため、時代の変化に全く対応できていなかったりします。

学生でも社会人でも、さまざまな場面で「柔軟的に」「臨機応変に」といった言葉を聞くと思いますが、まさに「10年間も当初計画のままで、柔軟に計画変更しないで大丈夫なの?」と思ってしまいます。

早ければ3ヶ月から半年もすれば時代が変わっているの実感できるのではないでしょうか?

コロナ禍を受けて計画を見直した行政は多かったように感じますが、実態として国の方針以外で自治体が見直したところはほぼ無い状況です。

このような「P:計画」を策定している間に時代が変わっていったり、プランがその時代に馴染まない可能性があることがPDCAの問題となっています。

「P:計画」 が揺るがないため、何十・何百ページにも及ぶ 「P:計画」 が足枷となって、自分たちを動きにくくしています。

この問題点に対して「PDCAサイクルなんだから計画を随時見直せばいいんじゃないか?」との意見がよく上がりますが、PDCAは計画にブレない軸があり、その軸は変わらない限り変更可能な幅は小さいことも特徴です。

『PDCAサイクル』は「P:計画」を守りにいくスタイルであり、“ 老害 ”

こんな言葉が至るところで生まれいるのも事実です。

行政計画をイメージするとわかりやすいですが、10-20年前の計画がそのまま生きてませんか?

そして、いつしか放置されているか従来の手法で施策を進めていませんか?

行政の場合、最初に「P:計画」を設定し、簡単に方向性や方針、理念は変わらないので、後は「DCA:実行・評価・対策」をひたすらゆっくりと回している感じだと思います。

一方でPDRサイクルは、「準備 → 行動 → 見直し」を素早く進めていくので、そもそも「P:計画」に当たる部分がなく、行動を前提にしていることから、社会情勢の変化に柔軟に対応することが可能です。

つまり、仮説を立てて検証していく作業を迅速に進めていくには、とても有効的な方法かなと思います。

先端技術を社会に実装していくため、実証検証を小さく繰り返していく取り組みが、学校、部活・サークル、アルバイト、ボランティア、会社、プロジェクトなどのどのような場面でも取り入れられることができると、「立派な計画をつくらないと前に進められない」なんてことはなく、何十ページにも及ぶような計画なんて不要になるのだろうなと思います。

私は、目まぐるしいスピードで変化する社会・時代に、先端技術を導入しながら、実現を図っていく課題解決の方向性さえ決めれば、あとはやりながら軌道修正していった方が、迅速かつ社会情勢に柔軟に対応できると思うので、「PDR」が最適だと思っています。

さいごに

私は日々の業務の中で「PDCA」サイクルを意識してきましたが、最後には「P:計画」 につまづき、「またか、無理だろ…。」 と常々悩まされてきました。

一旦、業務から離れて、プライベートで好きなことをやるときに「PDR」を無意識にしていることに気づき、この「PDRの考え方」を知ったときは、「確かに仕事以外ではやっていたかも!」ということを再認識しました。

それからは業務でも「小さく仮説と検証を繰り返すチャレンジが大切」ということを意識してきましたが、やはり壁にぶつかりました

PDRにもデメリットはあり、大きな組織であればあるほど従来の考えに縛られた計画で動くため、PDRサイクルを採用するのが難しいということです。

何故なら、大企業であれば投資家を気にしますし、行政であれば市民を気にしてしまい、仮説検証を繰り返す行動は早々にできないからです。

それでも、個人や少数のグループの方が上手にハマると思ってます。

多様性の時代であり、個人の時代に対して追い風になっている今の状況には、壮大な「P:計画」を立てて「DCA:」するよりも「PDR:準備 → 行動 → 見直し 」により、個人も組織も賑わいを生み出す近道なのではないかと思います。

それでは今回はここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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