教員にはなりたくない? ブラックで忙しい労働環境とは

ぶっちゃけトーク

私は社会人1年目に国語の教員免許を取得したものの、教員の道には進みませんでした。

その理由はニュースでも度々取り上げられている「教員の労働時間の長さ」や「労働環境の悪化」そしてIT化が進まない現状です。

▶︎学校や教職員の現状について(文科省)

大学院での教育課程を研修を通じて、教員のあるべき教育体制を考え「学校の先生が忙しい理由」についての仮説を立てることができました。

仮説というのは「先生が忙しいのは、長く働けば働くほど評価される文化が根付いている」というものです。

「先生って、なんでそんなに忙しいの?」と気になる方は、是非読んでみてください。

教師の長時間労働を喜ぶ顧客

私が教員の仕事量に違和感を持ったのは教育実習での雰囲気でも先輩教師の言葉でもありません。塾講師のアルバイトをしていたときの保護者の方からの言葉に初めて違和感を覚えたのです。

その保護者の方は北陸地方で高校3年生と1年生のお子さまがおり、2人とも部活に所属していました。また、塾に通わせる通学時間に余裕がないとのことで家庭教師をつけている状況でもありました。

違和感を覚えた日の会話は今でも鮮明に記憶しています。3時間の勉強の合間の休憩時間にしていた学校の教育時間についてのふとした愚痴からでした。

■保護者
「偏差値の高い学校っていいわよね。私の子どもが通う学校の先生は本当に素晴らしいわ。朝は7時から補講してくれて、夕方も18時まで補講があるの。そこから部活の指導もしてくれるし。土日もしっかり補講をやってくれるから、助かってるわ。」

■私
「…。」

心の中で…「え…? 忙しすぎるだろ! その労働時間は先生たち死んじゃいますよ…。」

■保護者
「でもね、違う学校だと定時に帰る先生がいるらしいのよね。普通に7時過ぎに学校に来て、 補講せずに18時に帰るっていうのよね。サボりすぎだと思わない?」

■私
「…。そうなんですね。勉強熱心な学校でないとそんな状況なんですか~(苦笑い)。 でも、先生たちもそれぞれの家庭やプライベートがあるわけですし。授業だけじゃなくて、生徒指導も部活指導も色々ありすぎて大変ですから。 」

心の中で…「え…? それでも10時間以上働いてない? それでも満足しないってどこまで求めてるの?

■保護者
「だって、教師ってそういう仕事でしょ?勉強を教えて、部活を教えて、生徒指導をして。それって当たり前じゃない?それすらできない人が増えるのは困るでしょ!私の周りの人も、みんなそう思ってるわよ!」

絶望でした…。

どれだけ文科省が労働時間を減らそうとしても、現場の教員の方々はきっと労働時間を短くすることはできないでしょう。もちろん、その大きな理由は膨大な業務量だとは思っています。

しかし、もう1つ大きな障壁としてあげられるのが、周囲からの精神的プレッシャーだと思います。

学校・教師にとって「お客さま」は文科省ではなく、“目の前子ども”であり、“学費を支払っている保護者”です。

顧客満足度をあげるためには、顧客である保護者の満足度をあげるしかありません。

そして、その顧客は「どれだけ自分の子供を大切にしてくれているか」を評価します。

例えばの事例で検証してみましょう。

■Aさん
朝早くから夜遅くまで、補講に部活指導、生徒指導に汗を流し、帰宅はいつも夜10時を回ります。

■Bさん
朝7時から夕方5時まで業務を行い、家で教材研究の時間を取るために、午後6時過ぎには部活を切り上げて帰宅します。

さて、Aさん・Bさん、どちらの方が顧客である保護者から評価されるでしょうか?

きっと答えは圧倒的に「Aさん」でしょう。

何故ならAさんの方が子どもに時間を割いているとみなされるからです。

結局、先生という仕事は労働時間の長さで評価されがちなんですよね。

定時で帰ってしまうと顧客からクレームがくるのは必須です。何故なら顧客満足を満たしていないんです。

教師の労働環境を本気で変えたいのなら、文科省からのお達しとかではなく、法律で「教職員の残業完全不可帰宅。部活指導はコーチ制などの外部委託。」などにしない限り難しいと思います。

会社と教師の評価のされ方の違い

学校現場で労働時間の短縮が実現できず、民間企業の方が労働環境を整えやすい理由は単純明快です。

会社の顧客は株主であり、労働時間の短縮は人件費の削減に繋がり、顧客である株主が喜ぶからです。

労働時間を短縮することで会社員が喜び、株主も喜ぶのならば教育現場より労働環境は整いやすいですよね。

教員は、顧客である「保護者」から労働時間の長さを評価される。
会社は、顧客である「株主」から労働時間の削減を評価される。

評価のされ方が全く違うし、完全に逆方向なので教員の忙しさは全然改善されません。長時間労働が評価対象ではもはやそれはもうどうしようもないことなんですよね。

教師の労働環境を改善するには?

こういった現場を踏まえ、教員の労働環境を改善するにはとにもかくにも「顧客からの理解を得ること」が何よりも重要です。

どれだけ文科省が労働環境の改善通達を出しても、顧客である親からの協力がなければ、労働環境はいつまでたっても改善しません。

まず、学校側が顧客である保護者に対して、教員の仕事の範囲を明確に示すこと。そして、保護者側もその仕事範囲を許容することから始まるのではないでしょうか?

いまは、学校側が「とにかく全部できます!」というスタンスを一切崩していないため、次から次へと顧客からの要望に答える形になっています。

しかし、それは悪循環しか生みません。学校の1番の商品は教員です。

その教員の労働環境が悪化するということは、顧客が期待するサービスの質がどんどん落ちてしまうことを意味します。

だからこそ、まずはサービス提供者である学校側が、しっかり教員の仕事の範疇を示してあげるべきなのです。

まとめ

2013年に私が民間の営業職に就いたときから同級生の友人は教員の労働環境についていつも悩み話を持ってきました。教員になった先輩から愚痴を聞き、1年後には教員になった後輩も愚痴をこぼします。

中には必死に教員免許を取得し、なんとか教職員試験を通って教員となっても「自分のやりたかった教育ができない。」「業務量の多さと無駄に管理が厳しい不要な業務が多すぎる。」などが口癖となって辞めてしまった方もいます。

友人は愚痴をこぼしてはいますが「労働環境が悪いのはわかってる。でも、その道を選んだからこそ頑張りたいんだ。」と激務でありブラックな環境で励んでいます。

ちなみに私自身は民間企業でほぼ毎月40時間の残業をしています。さらには毎月と言いましたが6か月は80時間の残業をしています。これはブラックでしょうか?(笑)

日本が定める過労死ラインは80時間です。しかし、教員は毎月140時間ともいわれ、更にサービス残業になっている実態もあるんです。

こんな労働環境であることは重々承知で、それでも先生として頑張りたい、熱い気持ちを持つ人がたくさんいます。

そんなとても素晴らしい方々が労働システムのせいで疲弊していく姿を見るのは苦しくて仕方ありません。教員の労働環境の改善は文科省ではなく、学校のトップと顧客である保護者親次第です。

少しでも教員の労働環境がよくなるような活動を、日々心がけていきたいと思う今日この頃です。

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